轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
海陸呼応する合図の狼火
と云うと、屋根を這い、棟の頂上へひた走った。と、ピッタリ腹這いになり、何かを抱いたと思ったが、グーッと反ると一本の円筒、筒口を天へ上げたものである。
海陸呼応する合図の狼火
一本の円筒筒口を、ポンとばかりに天へ上げた。大砲かな? そうらしい。と太郎丸また腹這い、屋根棟の一所を押したと見るや、何んの壮観、筒口から、音なく立ち上った一条の火龍! 四辺を真紅に輝かせ、数丈の高さに舞い上った。発光狼煙、合図の火だ! 青空が一瞬間に突ん裂かれ、裁断された趣きがある。
と、パッと消えてしまった。
「どうだ?」と呻くと太郎丸、夜で必要はなかったが、一種の気勢、眼に手を翳し、西南の方角をグッと睨んだ。と、まさしく名古屋港、それも遙かの沖合いにあたって、同じく一本の狼煙が火柱のように舞い上がった。
「よし」と云うと太郎丸、また屋根棟をスルスルと這い、物見の台まで帰って来た。
「何んと求林斎、あれを見たか!」
「は、まさしく合図の狼火」
「海上よりだ、何んと思う?」
「船舶浮かんでおろうかと」
「すなわち島津の水軍だ!」
「ははあ」と云ったが西川正休、いささか度胆を抜かれたらしい。「しからば殿にはそれほどまでに?」