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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
「用心堅固、水も洩らさず固めを付けて置いたのさ」
「恐ろしいお方にございます」
「これが普通だ! 事をあげるにはな! 隅から隅まで備うべきだ!」
「恐ろしいお方! しかし立派!」
「こういうこともあろうかと、俺がこの地へ入り込むと同時に、常に島津の水軍をして、秘かに秘かに海上を、游泳させておったのだ」
「で、殿にはその水軍を?」
「うむ、活用はするけれど、まず差しあたり引き移る」
「ははあ、当屋敷を引き払い?」
「そうさ」と云ったが太郎丸、グッと地上を見下ろした。「いかに太郎丸図々しい、度胸を持っていようとも、砦にも当らぬこの屋敷を、こう十重二十重に囲まれては、策を施こす手段はない! 今より同勢引きまとめ、海上の船へ乗り移る。さて求林斎!」と嘲笑うように、気の毒ながらその方も、俺と一緒に船へ連れる! そちを放せば恐らく俺の陰謀を、幕府有司へ告げようからの、告げられたが最後、俺は破滅だ! が、安心するがいい、決して決して虐待はせぬ! いやいや学者として尊重する。大船に乗ってその方と、学問の話を取り交わせながら、大陰謀を試みる! アッハハハ面白いではないか! 忙中まさに閑日月ありさ。