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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页

青空文庫

「それというのも薬草道人様がいまだに、お城においでになり、お館様にお力添えして、お政治向きの改良とやらを、なされているからだと云うことで」

などと、一方の食卓では、真面目な話が交わされている。そうかと思うと一方では、

「面白くないね、この頃の浮世、緊縮緊縮、質素質素、そんなことばかりを云っているので、金の融通が止まってしまった。花柳界なんかア火が消えたようだ。やっぱり何んだな、太鼓でも入れて、あっちでもこっちでもガチャガチャ騒ぎと云ったような景気でないと、儲かるものも儲からねえなあ」悪いことを云っている連中もある。

「聞けば島津太郎丸、いまだに大船を二隻も率い、海にいるっていうことだな。海賊同様な真似をして、沿岸を荒らしているそうだ。暴風でも起こって沈むといい」

などと云っている連中もある。

そうかと思うと一方の隅では、遊び人らしい威勢のいいのが、こんな話を取り交わせている。

「半だアと俺ら張ったのさ、ガラガラポーンと上がったのを見ると、どうだい綺麗に丁じゃアねえか。ヤケだからもう一度半だアとやった! 出たところを見るとやっぱり丁! ヤケだからもう一度半だアとやった! 出たところを見るとやっぱり丁! ヤケだからもう一度半だアとやった! 出たところを見るとやっぱり丁! 長目の丁に引っかかり、ソックリ取られたという