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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
危険至極の破裂弾
危険至極の破裂弾
横腹を抑えて荻野八重梅、ムーッと呻いて仆れたので、蝮酒屋のお客さん達、一度にそっちを振り向いた。飛んで来たのは組紐のお仙、
「どうなされました」と親切心からだ、あわてて抱き起こしたものである。
「はい、差し込みが参りまして、にわかにキューッとこの辺が……痛んで参りましてございます」
女役者だけに云うことが、ピタリとイタについて本当に聞こえる。
「それはお困りでございますね。お見受けすれば門附け衆、なるほどこんな寒空に、往来を流してはたまりますまい、きっと冷えたのでございましょう」
「ハイハイそんなようでございます。……痛! 痛! 痛! これはたまらぬ! また差し込んで参りました」身もだえをしてのけ反ろうとする。
それを支えた組紐のお仙、
「ではマアちょっと家内へはいり、少しお休みなさりませ。暖もったら直るでござりましょう」つい勧めたものである。
しめたと思ったが気にも出さず、
「門附け風情がどう致しまして、それでは勿体のうございます。いえいえここでほんの少し、休ませていただいておりましたら、おちつく事でございましょう。……あッ、痛々! また差し込み! キューッとこの辺が刳られるようで。