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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
殿は名玉私は木賊
「慈忍を日月の明徳に型取り、天地を照らして諸臣を総べ、民を安きに置くものと、かように道人解釈しましてござる」
「それが政治の要諦と思う」
「決して間違いはござりませぬ」
ここでまたもや沈黙した。
諸臣依然として静かである。
と、道人威厳をもって、尾張宗春へ問いかけた。
「政治の要諦定まった上の、ご領地に対する具体的施政、承わりたいものにございます」
「うむ」と云うと尾張宗春、「名古屋をもって中心とし、大きく海を取り入れる」
「太平洋! 異国へまでもつづく! 貿易交通をなされると見える」
「市中に縦横に掘割をつくる」
「四通八達に便あるよう」
「規模を大きく、四方へ延ばす」
「大名古屋市! ご建設とみえる」
「しかも中身は堅実にな」
「せっかく従来取り入れられました、関東と関西の文物は?」
「冗をはぶいて粋ばかりを残す」
「二大都の美点をお取りになると見える」
「そうして打して一丸とし……」
「第三の都市をおつくりになるか」
「この儀はどうだ!」
「素晴らしい!」
道人の声には感激があった。
その感激で云いつづけた。
「第三こそは進歩でござる。遺伝、第一、境遇、第二、合して出来た第三のもの、すなわち人間にございます……東西渾融、この境地が第三。