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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
女房に働かせて遊んでいる、そんな亭主だってあるものでねえ。俺ア厭だ、俺も働かねえ、遊ぶ遊ぶ、遊んでしまう」
「よかろう」と彦兵衛おちついている。「気に入ったな、遊ぶがいい。ほんとに遊ぶっていいことだ、気がノンビリしてぼんやりして、浮世のことなんか忘れてしまう、腹が減ったら減ったまでさ、木の実木の根を食ったところで、めったに人間は死ぬものでない。また死んだっていいじゃないか、何も彼も消えてなくなってよ、サバサバとしていいだろう。だがな、俺はこう思うのだ、働かぬ働かぬと怒鳴ったところで、ナーニお前は働くよ、何んの働かないでおられるものか、お前は働くのが好きらしい、好きなことならしたがいい。そこでお前は働き出す、ところが俺は働かない。と云うのは働くのが嫌いだからさ。で全然元通りになる。だがしかしだ、そうは云っても、俺だってこれでも働いているよ。そうともそうとも神様のことでな。……お前は生活にアクセクするし、俺は神様でアクセクする、うまく出来てる、それでいい。浮世を見たってそうじゃあないか、生活にアクセクする奴と、神様にアクセクする奴と、二通りしかありゃあしない」