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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

そしてそこへ酒を運ばせ部下とともに酒宴を張り、大いに酔っては、山上に向って悪罵すること、前よりもはげしかった。いい気持になって部下どもも、大いに声を張り上げて、張飛に和して罵りつづけた。

だが、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)はこのさまを見て、

「張飛も遂に自暴になったわい。必ず手だしをすな」

と、命じたので、山中はかえって静まりかえってしまった。

成都にあって、軍勢如何を案じていた玄徳は、使者を張飛のもとに送り、復命を待った。

やがて、使者のもたらした報告は、

「張飛の軍、中の北方に於て、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)の兵とぶつかり、双方対陣のまま五十余日に及びますが、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)いかに謀れども出でて戦わず、ために張飛は敵を欺くと称し、山を下って敵前に構え、毎日酒を飲んで、敵を罵りおります」というのである。

玄徳は驚いて、早速、孔明をよび、張飛が悪い癖をだしている様子であるが、どうしたものかと問うた。

委細を聞いて、孔明はカラカラと笑い、

「中にはおそらく良い酒はありますまい。成都の美酒をあつめ、五十樽ほどを、車にのせて、早速送り届け、張飛に飲ませたらばよろしかろうと存じまする」