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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

と、いった。

「とんでもないこと、大体、張飛は今までも、酒のために色々と失敗をしている。その上、成都の美酒を送れとは、解せぬことを申すものかな。彼美酒に酔うて、ついには張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)に害められるに至ろうも知れぬ」と、忿懣の色を顔にみなぎらせた。

孔明は、またニコリとして、

「あなたは、張飛とはずいぶん長い年月、兄弟のように交わっていられながら、彼の本当の胸のうちをまだご存じないと見えます。張飛が、いつぞや、蜀に入る時に、厳顔をゆるして味方としたことを覚えておいででしょう。その折の計の深さは、とても、ただの勇武だけではできないことでした。いままた、宕渠の山前で、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)と対陣し、しかも五十余日に及び、ちか頃は酒を飲んで張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)を罵り、辱めているということですが、こんな傍若無人ぶりは、彼の本心ではありますまい」

孔明の言葉は、玄徳を見つめたまま、熱をおびていた。

「必ずや、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)をあざむくための、深慮遠謀あってのことと信じます。