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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

吉川英治『三国志(七)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:三国志、三国志。

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 页

青空文庫

どうも捕れぬ」

豪勇趙雲も嘆じていた。魏延は次の日、わざと陣前に出ず、雑兵を出して夫人を揶揄させた。夫人は怒って追いに追う。そして誘導しばらくして、時分はよしと躍りでた。

「駝鳥夫人待て」

夫人は振り返って、短剣を投げ、そのまま例によって帰り去らんとした。趙雲がまた、一方から鼓を鳴らして、

「あれは駝鳥か猩々の牝か」

と囃した。

髪逆だてた夫人は、遂に、感情のまま蜀軍の中へ馳けこんで来た。蜀軍はわざと逃げくずれる。そして止まるとまた、悪口三昧を叩いた。

次第に山間に誘いこんで、予定の危地を作るや、どっと八面からおおい包んで、遂に、祝融夫人を擒人とすることに成功した。

孔明は孟獲の陣へ使いをやった。

「汝のおかみさんは予の陣に来ている。張嶷、馬忠と交換せん」

孟獲は驚いて、すぐ二将をかえしてよこした。孔明は祝融夫人に酒を呑まして送り返した。彼女は少ししおれていたが、一斗の酒を呑んだあげく縄を解かれると非常にはしゃぎ出して、孟獲と似たような大言壮語を残して帰った。

歩く木獣

一

隣国へ使いに行った帯来が帰ってきて告げた。

「われわれの申入れを承知して、数日の間に、木鹿王は自国の軍を率いて来ましょう。