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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
この際お明しを願いたいもので」
「これはご理、お話し致しましょう」そこでお絹話し出した。「島津を筆頭に外様大名、宗春卿を味方に引き入れ、一大謀反を起こそうとしている、ついてはその方名古屋へ参り宗春卿の行動を看視し、敵方の餌食にさせぬよう、――これが水戸のお館から、命ぜられました妾の使命。で妾は部下をひきい、久しい前からこの地へ入り込み、見張っていたのでございます。そこへ続々入り込んで来たのが、島津家の女忍び衆、烏組の連中でございまして、その大将をお紋と申し、随分腕っコキでございますが、ある夜宗春卿をおびき出し、閉じ込めたのが例の地下室、その目的は宗春様を、謀反の連判へ加えようため、これは大変と存じまして、いろいろ苦心を致しました末――その苦心につきましても、お話ししたいことがございますが――『二方遁がれ』の間道の、一方の出入り口を知りましたについては――その一方の出入り口とは、あなたとご一緒に入り込みました、あの上名古屋の密林中にあった、出入り口のことでございますが――単身入り込んで宗春様を救い出そうと致しましたところ、ご存知の通り烏組の連中、いつか張り込んでおりました。