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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
「死にたくなるねえ、あれを聞くと」
「俺もそうだよ、死にたくなるなあ」
※(歌記号、1-3-28)本来空の明りには
「俺には明りなんかありゃアしない」
「お聞きなさりませ、黙ってね」
※(歌記号、1-3-28)実に燈すべき提灯も
「消えっちまえよ! そんな提灯!」
「黙ってお聞きなさりませ」
※(歌記号、1-3-28)燈籠もいらず掻き立てず
「燈籠も消えろ! 面白くない」幹之介ゴロリと寝たものである。彼の心は苦しいのである。逢えて嬉しい! それはよい、だが云わなければならないだろう、――行き詰まっている境遇を! 云ったら何んというだろう? 相手は芸人、女役者、金の切れ目が縁の切れ目、さようならと云うかもしれぬ。そうなったら逢い終い! 今夜が最後の別れである! ……もうこの嬌態も見ることは出来ない! 他人とならなければならないだろう! だがそれにしても美しいなあ!」
逢って見て一層幹之介、恋煩悩に捉われたのである。
荻野八重梅敏感である。早くも様子を見てとった。「ひどく悩んでいるらしいよ。ここどうやら二月ほど、苦しい様子を見せていたが、金に詰まっているらしい。