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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
「あなたがそれを望まれるなら、私がお力添え致しましょう」
「是非に!」というと宗春の顔、にわかに活気を呈して来た。「お願い致しとう存じます」
「よろしゅうござる」と引き受けた。「当分城内へとどまって、ご相談相手になりましょう。……さあさあこれで話は決まった。どれそれでは大広間へ参り、振る舞い酒でもいただきましょうかな」
ヒョイと立ち上がると部屋を出た。あたりをジロジロ見廻したが、「どうも立派な御殿だわい。ひとつ拝見と出かけるかな」薬草道人遠慮しない、間ごと間ごとを打ち通り、奥の方へズンズン歩いて行ったが、これから事件が起こったのである。
一つの奥部屋、そこまで来た。とにわかに薬草道人、「これはおかしい」と呟きながら、ピタリ襖へ体をつけ、様子をうかがったものである。
ああ迷妄払い難からん
奥部屋の襖へ体をつけ、様子を窺った薬草道人、「おかしいなあ」とまたも云った。「嗅覚に毒気が感じられる。誰か毒石を弄そんでいるな」
そろそろと細目に襖をあけ、その際間から覗いてみた。部屋の調度から推察すると、どうやら城主の寝部屋らしい。茶釜がシンシンと沸いている。その前に侍が坐っている。