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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页

青空文庫

「ソレ、引っ包め、引っ包め!」

執念深い山窩の群、円陣を描いて押し寄せる。

「まだ来る気か!」と叫んだが、浜路またもや馬を煽り、誘き寄せようと円陣の中を、ダクを踏むように歩ませた。それとも知らず四方から、追い逼まって来たのを充分逼まらせ、両鐙の大煽り、馬の前脚宙に上げ、カッパと下ろすとまたまた悲鳴! 山窩一人を駈け仆し、余勢で駈け出す馬をさばかず、トッ駛って円陣を突破した。

あくまでも執念深い山窩である。またも四方から寄せて来た。しかし浜路の馬術には、怯え切っている彼らである、追い逼まろうとはしなかった。

「追っかけるなら追っかけるがいいよ」浜路、悠々と打たせて行く。灌木の茂みまで来た時である。突然ヤッという声がして、黒い人影が飛び出した。棒で馬の脚を払ったらしい。嘶くと共に棹に立ち、続いて前のめりにぶっ仆れた。不意の伏勢、意外の襲撃、馬上の浜路モンドリを打ち、ドッとばかりに転がったのは、また止むを得ないことであった。

「しめた!」「捕えろ!」「お転婆め!」山窩バラバラと走り寄った。

「畜生、畜生!」と酒場の浜路、立ち上がって刀を振り廻したが、馬から放れては敵うべくもない、押さえられて担がれた。