轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
「名古屋新聞」1926(大正15)年5月24日~12月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 224,569 字 · 451 页
蒼褪めてはいるが元気である。幾ヵ所か薄手は負っていたが、面倒な深手は一ヵ所もない。しかしまだまだ歩かれない。で、止むを得ず寝ているのである。
組紐のお仙が枕もとにいる。
「今日はいかが? ご気分は?」お仙、顔を覗き込んだ。
「有難う、大分いい。今度は厄介になったなあ」宗三郎、微笑した。
「少しは有難いとお思いになって?」お仙、ニヤニヤ笑いながら云う。
「有難いような有難くないような、何んだかちょっと変なものだよ」宗三郎冷淡である。
「驚いたわね、どうしてでしょう?」
「助けてくれたのがお前でなければ、俺はお礼を云うのだがな」
「変な云い廻しね、どういう意味でしょう?」
「うっかり俺が礼を云うと、そこへお前は付け込んで、口説くだろうと思うからさ」
「お手の筋よ」と組紐のお仙、面白そうに笑ったが、「相変らずの宗さんね。そういうところが大好きさ。ズバズバ云うところが千両よ。……でもねえ」と、ちょっと感傷的になり、「妾泣いたのよ、あなたのために。そうして云ったわ、南無阿弥陀仏って、だって死んだと思ったんですもの。土を掘ってお葬式をして、妾も死のうと思ったのよ。……ね、妾のそういう心持ち、可哀そうだとは思わなくって?」