Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

一〇

心は澄み切り、魂はしずもっていた。

――じっと落ちつけよ! 雪太郎――じっと落ちつけ、大事のときじゃ。

彼は呪文のように胸の底で繰り返していた。

一〇

大喜利がにぎやかに幕が引かれると、雪之丞は、潮汲みの、仇ッぽい扮装のままで、師匠の部屋に行った。

「お目出とうござります」

「お目出とう、御苦労だったの」

とてお互いに、初日をことほぎ合ったあとで、雪之丞、手を突いて、

「さて、わたくしはこれから、お客衆にまねかれまして、柳ばし、川長とやらへまで、顔出しをいたしてまいるつもりでございます。おゆるしが願わしゅう――」

「ほほう、それはありがたい御贔屓だの。して、どのような筋のお客さまだな」

菊之丞は、わが愛弟子が、江戸人から歓迎されるのを聴くのが、一ばんうれしいというように目顔に微笑をみなぎらした。

雪之丞は、きわめて落ちつき払った、さりげない調子で――

「土部さま御一行からでござりますとのこと――」

「ええ、土部から?」

かえって、師匠の瞳に、不安と恐怖とがきらめいた。

「して、そなた一人、よばれましたのか?」

「はい、わたくし一人、お名ざしでござります――が、かまえて、悪しゅうはふるまわぬつもりでござりますゆえ、御懸念には及びませぬ」