Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
二
いましょう――そのうちに、この月の芝居もすんだなら、世間を忍んで、必ず、おたずね下さるに相違ない――わたしは、待ちます! じっとじっと、しずかにして――
と、そんな方に、自ら慰めて見ずにはいられない彼女でもあった。
二
こうも呪い、ああも、自ら撫め、日を、夜を、垂れ籠めて、たった一人小むすめを相手に、せめてもの慰みは、新版芝居錦絵、中村座当り狂言の雪之丞の姿絵、三枚つづきの「滝夜叉」に、その人をしのぶ事だけの浪路だった。
あの晩、吹きつづけた凩が、しいんと、吹きやんで、天地が、寒夜の静もりに沈んでゆくような晩だったが、相変らず、錦絵をならべて、小むすめに、絵ときをしてやったあとで、菓子箪笥から、紅い干菓子を、紙に分けてやって、
「千世、おあがり」
と、すすめてやって、どこか、若衆がおの愛らしい横がおをみつめて、何を思ったか、ぼうと、いくらか、頬をうすく染めた浪路――
「ねえ、千世、たのみがあるのだけれど――」
八丈柄の着物に、紅い帯をした小むすめは、女あるじをみつめた。
「何でござります?」
「いいえね、格別、六かしいことではないのだよ――わたしと二人、夫婦ごっこをしてあそんでおくれな――いいでしょう?」