Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

一〇

お初が、追ッかけるように――

「いい加減なことをいって、待ちぼうけを食わせると、噛みつくから――」

「大丈夫、わたしとても男――二言はない」

あとを見送って、

「あいつのいったことほんとうか知ら?」

と、口に出してつぶやいた。お初、胸の中で、

――一時のがれの嘘っぱちとも思われないが、さりとて、おいらのこの思い詰めた気持を、あんなに急に聴き分けるとも思われない――口説にかけて、たぶらかす気か、それとも、ことによると、大事を知られて、生かしては置けずというわけか――ふ、ふ、いずれにしろ、おいらも、飛んだ奴に想いをかけてしまったものさ。

銚子に残っていた酒を、湯呑みに注いで、煽りつけて、ふうと、熱い息を吐いたお初は、やがて、これも茶屋を出て行った。

屋外は、もう、いつか初冬らしい、木枯じみた、黒く冷たい風が吹きとおしている。立ちつづく、芝居小屋前の幟が、ハタハタと、吹かれて鳴るのも、寒む寒むしい。

森閑とした通りを、お初は、小刻みに、走るようにいそいだが、その中に、めっきりあたりが淋しくなって、田圃や、杜つづきとなる。

この辺、芝居町が移って来たので、急ににぎやかになったが、ちょいと外れると、まだ田舎田舎したものだ。