Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

九

ながら定小屋もあって、軽業、奇芸の見世物まで、夜も人足を吸い寄せているのであった。

横山五助、二人の会話を、小耳にはさむと、

――うむ、あの通りへ出られてしまっては!

と、呟いて、瞳に、暗いほのおをふすぼらせる。

と、同時に、狂おしい昂奮が、この中年武士の追蹤の足を早めさせた。

チャラチャラと、雪駄の裏金が、鳴るのをすら、ききはばからせない。

その足音に、ふりかえったのは甚太郎だ。まさか、五助が、ここまで跟けて来ているとは、思いもかけなかったろうが、闇の夜道なり、人家は途切れた野中なり、ハッと思った風で、道案内に、先きへ立っていたのが、浪路を囲うように、うしろへまわって、

「おいそぎ下すって――」

と、低く、不安気に囁く。

少しゆくと、まだ、腰高障子に灯かげが映っている、居酒屋のような小店があるのだ。

浪路も、小走りになる。

が、横山五助、もはや、情欲に前後の思慮を失しているのだから、殆ど、駆けるように近づいて、

「待ちなさい! これ、お待ちなさい!」

と、迫った調子で、喘ぐ。

甚太郎、聴き覚えのある声なので、足がすくんだ。

浪路失踪以来、何度か、母親と彼とを威迫すべく訪れた、横山五助だということは、次の刹那に、すぐに思い出せたのであろう。