Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

三

大犬は不思議そうに、しかしもう敵意を亡くして、尾を垂れて足元にまつわるのを、手の平に唾を吐いて嘗めさせて、

「黒、温和しくしろ――これからときどきたずねて来るからな――まあ、少しの間おれに中の話を聴かせてくれ」

三

闇太郎は足許にまつわってくる黒犬を、片手で頭をなでてやりながら、おなじ軒下にじっとたたずんだまま、なおも家内からもれてくるかすかな気配に耳をかたむけつづける。

――それにしても、あの雪之丞もこんな屋敷に引っぱりだされてくるようじゃ、やっぱり高のしれた芸人根性の奴だったのかな。この三斎屋敷に出はいりをするような奴は、きまって、あの隠居の、髭のちりをはらって、何か得をしようと、目論んでいる奴等に、きまっているんだ。おい雪之丞しっかりしろ。娘が公方の妾になっていたって、それがなんだ。全体、芸人なんてもなあ、公方や大名の贔屓をうけたって、何の役にもたたねえものなんだ。それより、世間一統皆々様の、お引立てにあずからなけりゃならねえのは、頭取の口上できいたってわかるじゃねえか。却って、こんな屋敷に出入りなんぞすると、気っぷのいい江戸ッ子たちからは笑われるぜ。