Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

一五

「ほ、ほ、ほ、ほ!」

と、広海屋は、口をすぼめるようにして、笑殺して、

「たわけたことを――そなたが、そのようなことを、どんなにしゃべりまわったとて、世の中で信用するものもなければ、つまらぬことで捨て鉢になり、馬鹿なことをいいふらすのが、耳ざわりと思召せば、あの方々は、そなたを二日とは、この世に生かしてはお置きあそばすまい。まあ、悪しいことはいわぬ。気をしずめたがよかろうに――」

長崎屋は今は憤怒に堪えかねたように、相手の袖をぐっとつかんで、

「広海屋、では、わしを殺す気だな?」

と、唸るようにいいかけた。

一五

「そなたを殺す? 殺したとて、わしに何の役に立とう――まず、気を鎮めたがよいと申すに――」

と、広海屋は、長崎屋がつかみしめた袖を、振りはらって、

「そなたは、ちと、気がどうかしたそうな!」

「気も狂おう! 二十年の、苦労、艱難、おぬしのために滅茶滅茶じゃ――覚えておれ――どうするか!」

長崎屋は、ズイと立って、荒々しい足どりで、広間を出て、そのまま、階下に下りてしまったが、荒れすさんだ気色を見て、茶屋を出てゆくのを、引き止めるものもないらしかった。