Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
七
御にのみ、罪を被せたばかりか、お取調べの間の御入牢中をいい機会に日ごろから、そなたの母御の容色に、目をつけていた、土部三斎――浪路どのの父御が、そなたの母御を屋敷に招いて、さまざまうまいことを並べた末、操を任せなば、父御の罪科を、何ともいいこしらえて、のがれ得させようとの強面――そのときの、母御のおくるしみ、お歎きは、いかばかりであったろうぞ! 三斎の意をうけた同類が、どのように、母御をおびやかし、おどかしつづけたかも、思うてもあまりがある――とうとう、長崎一の縹緻よし、港随一の貞女とうたわれていた母御は、あたら、まだ成女ざかりを、われとわが身を殺してしまわれたのじゃ――な、雪之丞、それを忘れはいたされまいな?」
「は――い――」
と、雪之丞は、とろけた鉛が、五臓六腑を、焼きただらせるばかりの苦しみを、じっと押し怺えながら、
「おぼえておりまする――母親の、あのむごたらしい死にざまを、子供ごころに、ただ怖ろしゅうながめました晩のことは、ありありと胸にうかびまする」
「そうであろ、いかに頑是ないころであったにいたせ、生みの母御の、知死期の苦しみを、ひしと身にこたえなかったはずがない――かの三斎どのこそ、父御を陥れたのみではなく、母御を手にかけたも同然のお人じゃ――」