Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
三
と、熱くささやいて、そして、自分の言葉に、酔い溺れるかのように、もたれかかったが、千世は身をすくめたまま、答えられぬ。
「駄目ではないの、千世!」
と、浪路は夢をさまされたように、おこりっぽくいったが、また、機嫌をとるように、
「さ、何とか、返事をして――」
「あいあい」
「あれ、あきれた千世――わたしが恨んでいるのに、あいあいでは――」
「でも、あいあいと、いえとおっしゃいましたから――」
三
「さあ、言ってくれるのですよ――千世、ね、こう言ってくれるのですよ――いいえ、決して、あのときのことを、忘れはしませぬ――と、そう言っておくれなさいな。ね、千世」
千世は、女あるじの、柔かな腕の中に抱きしめられて、ますます紅くなりながら、それでも、
「はい、では、申します――いいえ、決して、あのときのことを、忘れはいたしませぬ」
「それなのに、なぜ、いつまでも、お顔を見せてはくれなかったの? わたしは、うらみつづけにうらんでいました」
又しても、千世が、口ごもってしまったとき、外で、
「御免下さりませ」
千世がホッとしたように女主の、脇をすり抜けて、入口の方へゆく。小家なので、音ずれて来た人のこえは、よく判ったが、それは、乳母の伜の、甚太郎――正直、まっとう、主すじのためにはいのちまでも、いつでも投げ出そうとしているような気立て