Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
と、さもさも感に堪えたように、いって見せて、一段と声を低くし、
「だが、のう、雪之丞殿。それは十分、理屈だが、ものにはすべて、裏がある。相手が普通の娘だとか、後家だとか、いうような者どもなら、それは、そなたの、名のために、断わりをいうもいいであろうなれど、土部三斎様といえば、何分、当時、大江戸で、飛ぶ鳥を落す勢い。その御威勢の半分は、当の、あの、浪路さまを、大奥にさし出しているからだとさえ、いわれているのじゃ。そこを、よう考えたら、そなたも、日頃の心がけを、今夜だけは忘れても、損はないように思われるが――」
雪之丞は、三郎兵衛が、例の悪狡い眼を細めるようにして、こんな事を、くどくどと述べたてるのを聞いているうちに、だんだん気持が変って来た。
――なる程、ものは考えようじゃ。相手が土部三斎の娘の、浪路であればこそ、却って、ここは、いつもの気持を捨て、側に近づく用があるかも知れぬ。わしは、今まで、恨みを晴らすに、太刀、刀を使おうとばかり思うていた。だが、それでは存分の、念ばらしが出来る筈がない。世間で、女子にもまさるとか、たたえてくれる姿、形に産みつけて下されたも御両親――その御両親の御無念を、おはらし申すに、縹緻を使ったとて、何が悪かろう。