Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
あたしは、お前をちっとも苦しめたいことはないのですよ。たった一度、かわいそうな女だと、抱き締めてくれさえしたら――」
「そなたは、わたしが、どんなに本気に申しても、わたしの心の誓い、神ほとけにも誓ったことを信用が出来ないのだ」
雪之丞は、困じ果てて、
「わたしが何も、そなたがどんな渡世をしているからというて、それをいとうではさらさらないなれど、今この場で、望みを叶えて上げることは、何としても日頃の高言に思い比べても出来にくい。そこを、よう聴きわけてくれたなら――」
「いいえ、いやじゃいやじゃ」
と、女賊は、髷がゆるみ、鬢の毛がほつれるほど激しく、かぶりを振って、ぎゅっと、雪之丞の二の腕を、爪の立つほどつかむのだった。
「あたしは、思い立ったら、ついその場で、火にも水にも飛び込んで来たからだ――ことさらここまで思いつめ、ここまで口に出した願い、この場でなくては怺えられぬ、いやなら、いやで、あたしだとて、可愛さ、憎さ――どんなことでもしてのけますぞえ」
事実、この女、自分を捨てる気になったら、こうして一緒に地獄の底までも引き落してゆくだけの、怖ろしい決心をつけかねぬ形相だ。