Classiques japonais avec furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
島抜けの法印は、婦女誘拐を職とする、法網くぐりの女衒たちのために、仲宿をすることもあるので、女わらべの泣きごえが、世の中に洩れるのをはばかり、庫裡の下に窖を掘って、そこに畳をしき込み、立派な密室を造っていた。
さればこそ、闇太郎、雪之丞のために、軽業お初を、しばしの間この世から隔離する必要が生じたので、この坊主を思い出し、湯島切通しから、かごごと盗んで、深夜かつぎこませたわけであった。
島抜け法印、いつもであれば、預かりものが、年はもいかぬ娘っ子なので気も張らぬが、今度は相手が相手、なかなか気苦労が折れるらしく、例の寝酒も、この四、五日はつつしんでいた。
が、今夜、とうとう、辛抱がしきれなくなって、もう、白丁が三本も、そこらにころんでいる。
二
島抜けの法印、破れ行灯の、赤黒い、鈍い灯火の下に、大あぐら、古ぬの子から、毛深い胸を出して、たった一人、所在なさげに、白丁から、欠茶碗に、冷酒をついでは、ごくりごくりと飲っているが、もう一升徳利が一本、五合のが、二本目も尽きかけて来ているのだ。
さすがに、久しぶりの寝酒が、まわって来て、髯だらけの顔が、赤黒く酔い染っているのに当人は、まだまだ、どうして飲み足りない――血濁った目で、あたりを睨め廻すようにして、独り言――