Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
「御承引で、辱ない。では、こうまいられい」
お初は、平馬のあとに跟いた。導かれながら、彼女は、思い出さずにはいられない――道場が、まだ建てかけで、板構えのあったころその物蔭で、三斎屋敷闖入を決心、がに股のちび助、吉公に打ちあけて、諫めるのを振り切って、忍び込んだのだったが、その晩、あの雪之丞に見咎められ、それがきっかけで、思わぬ成りゆきになったことを――
平馬が、道場、脇玄関の戸を、引きあけて、
「戻ったぞ」
と、いうと、妙に角張った顔の内弟子が、寝ぼけごえで、すぐ次の部屋から出て来て、
「お帰りなされまし」
と、無器用に、手を突いたが、うしろに、すんなりたたずんだ、お初をみとめて、いぶかしげだ。
「お客人をおともした」
と平馬は、いかめしく言って、
「客間に灯を入れろ」
その客間というのが、まだ壁の匂いがツンツン香る、床に掛物もかけてない、がらんとした、寒む寒むしい十二畳だった。
一四
木口こそ真新しいが、殺風景な客間に導かれたお初、皺ばんだ着物をいくらか苦にして、すんなりと坐ったが、相手は、そんな細かしいところまで気のつく男でもなさそうだ。
なぜなら、道場主の目は、なりふりよりも、まず、真っすぐに、こちらの顔にばかり注がれて、しかも異常な輝きを、白目勝ちの、殺気のようなものをいつも感じられる瞳に宿しているのだ