Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

草鞋が土を踏んでいるひびきではない。

――おや、橋を渡っているが――それも、長い橋を――

雪之丞は、いぶかしさを感じた。

耳をすまして、少し考え込んだが、

「かご屋さん、これは、柳ばしへゆくのではないの?」

「へえ、それが模様換えになったので――」

と、かご脇に引き添って、駆けていた若ものが、何でも無げに答えた。

「模様換えというと――」

雪之丞、かすかな不安を覚えたものの、

「わたしは、柳ばしのろ半とか、聴いていたが――」

「いいえ、柳ばしのろ半の出店が、深川にありますんでね――へえ」

かごは、いつか、橋を渡り切って、かまわず、急いで行く。

川風が、荒っぽく、垂れの外に吹きすぎるのをきって走ってゆく。

やがて、傾斜を下りて、人気はなれたあたりへ出たらしかった。

すると、とある曲り角を、曲ったと思うと、そこで、二、三人の足音が、乗物にまつわって来た。

――はて?

はじめて、雪之丞は、一種の殺気が、自分を押しつつむのを感じた。

――早まったかな? わしには、敵がないわけではなかった。

敵を敵をと、狙う身、あべこべに狙うものがあることをとかく、忘れがちになるのは当然だった。