Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

手代の一人が、

「何ともはや、妙なはなしでござります。お種どのの申しますには、煙に捲かれて、廊下まで来ると、ゆき会った一人の男――あぶないゆえ、お坊ちゃまを渡すがよい――と、無理に、お種どのから奪い取るようにして、そのまま、お坊ちゃまを抱いて、どこかへ行った――と申しますので――」

「その相手が、誰とも見当がつかぬというのか? 覚えていないというのか?」

と、広海屋が、焦ら立たしげに――

手代は、笑止げに、

「それが、何分、動顛した折――男とのみしか、覚えてはおらぬと申します」

「と、いっても、うちの中に、他人さまが、はいって来ているはずはなし――火事が大きくなってからは知らぬこと――あのときなら、店の者たちばかりの筈だ。さあ、急いで、探して見ろ! 店の者で、誰か、見えないものはいないか!」

広海屋は、真赤な火の手のひかりをうけながら、青ざめて叫んだ。

――ことによったら、一つぶ種――救おうとした者と一緒に、炎に捲き込まれてしまったのかも知れぬ。

と、いう予想に、胸もつぶれるばかりである。

母親は、広海屋の袖をつかんで、

「ごらんなさい、申さぬことか! このごろ坊やが夜泣きをして、考え事に邪魔だというて、あたし達の寝間から遠ざけ、乳母と一緒に、庫前なぞへ寝かしたから、こんなことになりました。