Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

蔭ながら、じっとみつめているぜ」

「ありがとう。今度こそ、立派に大詰めまで叩き込んでつとめて御覧に入れましょう」

と、雪之丞も、強いたほほえみで答えた。

すんなりと、送って出た雪之丞を、あとにのこして、闇太郎、さも律儀な職人らしく、寒夜に、肩をすくめるようにして、出て行った。

部屋に戻ると、一間はなれた部屋の、菊之丞の、皺枯れた咽喉が軽く咳くのがきこえて、ポンと、灰ふきの音――

「おや、お師匠さま、お目がさめてでござりますか?」

「おお、たった今、醒めたところ――」

と、しずかに答えて、

「何やら、人が見えたようであったな――あの牙彫りの親方のほかに――」

ハッと、赧くなって、雪之丞――

「はい――」

「まず、これへ、はいるがいい」

かすかにき捨ての、香の匂うたしなみのいい、師匠の寝間にはいると、菊之丞、紫の滝縞の丹前を、ふわりと羽織って、床の上に坐っていたが、

「たずねて来たのは、女子衆の使でもあったようだが――」

絶えず、愛弟子の上に、心をくばる、老芸人の心耳に狂いはない。

「は――はい」

と、雪之丞はうなだれて、

「不仕合せなお人が、たずねてまいったように見えましたが――」