Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans
「土部の御隠居――この面かげ、今はハッキリと、お思い当りましょう!」
「わあッ!」
と、いうように、悲鳴に似たものを揚げて、三斎、のけぞるばかり――
「や、や! そなたは、長崎松浦屋の――」
「はい、わたくしのこの顔に、母親のおもざしが、いくらかのこっておりましょうか――」
と、突きつけたその顔には、恒より老け窶れた衰えがすわり、目隈が青く、唇が歪んで世にもすさまじい、三十おんなの恨みの表情が、一めんに漲っている。
「な、これなら、お思い出しになりましたろうがな――」
土部三斎、駿河守の昔から、剛腹一方、怖れも懸念も知らずに押し上って来た人物だが、それが何たること――片手を畳に、片手を前に突き出して、腰さえ畳に落ちつかない。
「そ、そのようなことが、あるはずがあるものか――」
と、わなないて、
「決してない――そのようなことは断じてない――」
「どのような、不思議なことも、この世にないことはござりませぬぞ、御隠居さま――」
と、ぐうっと、乗り出して、
「御隠居さま、さ、ハッキリと、思い出しなされませ――わたくしの母のおもかげを――どうぞ、御隠居さま!」
五
「じゃと、いうて、わしは、何もそなたの亡き母を、責め殺したわけではない――」