Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lisez 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 344 083 caractères · 673 écrans

Aozora Bunko

雪之丞は、やがて、菊之丞と一緒に、中村座を指して出かけた。初下りの上方役者の、楽屋入りを見ようとする、若女房や、娘たちが、狭い道の両側に立ち並んで、目ひき袖ひき、かまびすしくしゃべり立てている。

そして、彼女等の視線は、あからめもせず、半開きにした銀扇で、横がおを蔽すようにした雪之丞の、白く匂う芙蓉の花のようなおもばせにそそがれているのだ。

食い入るようにみつめながら、彼女等は囁き合う。

「まあ、ゾーッと、寒気がするほど、美い男だわ」

「江戸で並べて、はまむら家、紀の国家――いいえ、それほどの人は、くやしいけど、いやしない」

「あれで、芸が、そりゃ、すばらしいんだと、言うのだもの!」

こうした言葉は、いくら低く語り合われているとしても、雪之丞の耳には、はっきり響くはずだ。いつもの彼であれば、芸人冥利、讃嘆のささやきを呟いてくれる、そうした人たちの方へ、礼ごころの一瞥はあたえたかも知れない。

が、彼の胸は、土部三斎で、一ぱいだ。

――わしに、今日、満足に、舞台がつとまろうか? その三斎という人間を、同じ屋根の下に見ながら、落ちついて、技が進められようか?