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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

九十郎は譫言のようにいった。

「そうさな」と意次も審かしそうに、「宴の席には姿なかった。……誰だろう、わしには解らぬ」

「やはり遅れて参られた、賓客達でござりましょう」貝十郎だけが少しも動ぜず、そう悠々とした声でいった。

「弁慶といい、あいつらといい、変な人間が今夜はいる。……呼びもしなかった変な奴らが!」

「殿」と貝十郎は勇気づけるようにいった。「私がついておりまする。何事も大丈夫にござります」

三人はソロソロと先へ進んだ。

十数間歩いたところで、三人のものは振り返って見た。

と、弁慶と羽衣と熊坂とが、一つ所に塊まって、交叉点に佇んで、囁きながらこっちを見ていた。

「貝十郎、彼奴ら、組んでいるぞ!」

「組んでおります! 党をなしております!」九十郎も上擦った声で、「そうして私達を狙っております!」

「平戸氏! はしたないではないか! ……殿、ご安心なさりませ、貝十郎をお信じくださりませ。……貝十郎ついております!」

書院造りの母屋の一室――侍女などの控える部屋の一つに、お浦が道成寺の花子の姿で、壁にもたれてボンヤリ坐り、その横に警戒でもするように、甲賀忍び衆の仮装をした、白須源吾が附き添っているところへ、貝十郎がはいって行ったのは、それから間もないことであった。