Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
五
「あいつは又助に任せて置け」
(いや)と次の瞬間に思った。
(手つかずの処女を、田舎浪人の又助ごときに!)
惜しい気がムラムラと起こって来た。
(俺が思いをかけた女だったっけ)
「新助見な、変なことがあるぜ」
「ナールほど、こいつア変だ。俺らのお株を奪っていやがる」
「女を誘拐かし担いで行く、俺らの昔の商売だったっけなあ」
「素人にやられてたまるものか」
「それもよ、ご両人の眼の前で」
「それも二本差しがやってるんだ」
「おいどうする?」
「邪魔しようぜ」
「因縁つけていたぶるか」
「玉アこっちへ捲き上げるのよ」
「やろうぜ新助」
「外伝、やれやれ」
五
蜆っ貝を掘りそこない、ブラブラ帰って来た新助たちであった。
城下外れまでやって来ると、芒原の方から若侍の群が、女を担いで走って来た。
見逃がせないことになったのである。
「こいつらア!」
と外伝が声を上げ、行く手を遮り両手を拡げた。
「見りゃア立派なお武家様方、悪ふざけかは知りませんが、悪ふざけにも程度がある、女を担いでおいでなさるなんざア、あくど過ぎまさア、あくど過ぎらい! ……放してやりなせえ、放してやれやれ!」
「もしもお放しなされぬなら」