Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
二
「ある時には与力として冷徹に、法を行って躊躇せず、ある時には戯作者詩文人として、温情的に行為する私、玩具いじりをいたしおりますので」
案内など待たず気安そうに、戸ヶ崎熊太郎がはいって来た。
「熊太郎、そちの玩具は何んだ?」
「玩具?」と怪訝そうに反問しながら、熊太郎は横手へ坐ったが、
「刀いじりでござりましょうか」
「剣に遊ぶ! 遊戯に相違ないな。……田沼の玩具は政治だったかな」冬次郎は微笑していった。
二
この時中庭をへだてた方から、――母屋の方から外伝らしい声で、田沼の没落を諷したところの、この頃流行のちょぼくれちょんがれを、愉快そうに歌う声が聞こえて来た。
※(歌記号、1-3-28)そもそもわっちが在所は、遠州相良の城にて、七つ星から、軽薄ばかりで、お側へつん出て、ご用をきくやら、老中になるやら、それから聞きねえ、大名役人役替えさせやす。なんのかのとて、いろいろ名をつけ、むしょうに家中のものまで、分限になりやす。あんまりわっちも嬉しまぎれに、大老なんぞと、これからそろそろ謀叛と出かけて、出入りの按摩を取り立て、お医者とこしらえ、千川上水、印旛の水田、吉野の金堀、む性に上納お益の、おための、なんのかのとてさまざま名をつけ、奢って見たれば天の憎しみ、今こそ現われ、てんてこ舞いやす……