Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
十八
それが捕えられて眼の前にいる!
意次の慾望は燃え上がった。
意次は四辺を見廻した。
今は暴徒も立ち去ったからか、弓鉄砲もて表門の辺を、警護している家臣達の、その大半が引きあげて来て、意次と貝十郎との問答を、不安そうに遠巻きにして眺めていた。
「やア汝ら!」
と意次は叫んだ。
「その女を貝十郎より引き放し、阿蘭陀部屋へ閉じこめよ! 有無を申さば貝十郎を、飛び道具もて撃ってとれ」
十八
瞬間貝十郎は弓鉄砲もて、意次の家臣たちに包囲され、織江も弓や鉄砲にかこまれ、貝十郎より引き放され、意次のもとへひっ立てられた。
と、見てとった貝十郎、意次に向かって大音に叫んだ。
「わたくし先刻冬次郎様へ、今夜のうちにままごと狂女、お浦を当方へひき渡さば、織江殿の貞操は穢されず、清浄のままにその身柄、貴殿へお渡しいたしましょうと、このように申しましてござります。その際冬次郎様言葉を強め、今宵のうちにお浦を渡そう、必ず織江は清浄のまま、返してくれよと申しました……殿、ご前、主殿頭様、煩悩のまま振る舞われ、織江殿にお手などつけましたら、殿にとりまして必要無二の、お書き附けを持った狂女お浦儀、お手に返らぬでござりましょう! 情慾を矯めて天下を取られるか、天下取りの大望棄てられて、一介の色餓鬼となられるか、人間真贋の岐路、ご熟慮あられい、