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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

十三

そう思わざるを得なかった。

(そんなことを思っているうち、この女は俺を殺そうとして、暇なく狙っておったのだ)

(またそれが当然でもある。親の敵であり兄の敵でもある、そういう憎い俺なのだからなア)

それだのに今日までその女と一緒に、旅をつづけ寝起きしたことが、今になっては変に想われ、あり得べからざる出来事のように思われ、危険至極だったように思われるのであった。

(俺もよほどどうかしている? ヤキが廻ったというのであろうか?)

とはいえこの女が司馬又助によって、その貞操を奪われようとした時、そうして自分と旅をつづけ、贋一揆の悪浪人どもに、無礼の所業におよばれようとした時、自分がほとんど身を挺して、助けたことを考えれば、この女がその恩を多少なりと感じ、ひょっとかするとこの自分を、愛するようになろうもしれぬと、そう考えたということが、そうまで不自然であろうとは、思われないようにも思われるのであった。

(が、それもこれもみんな俺の、思い違いというものさ。現にたった今俺の隙を狙って、復讐の刃を向けたのだからなア)

(ではこれからどうしたものだ?)

考えざるを得なかった。