Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

二十

と、二人らしい人間の、近寄る足音が聞こえて来た。

「率爾ながらそこへ参られたは、お武家かそれとも土地のお方か?」

こう郡兵衛は声をかけた。

すると足音は止まったが、

「女を連れた浪人でござるよ」

そう足音の主はいった。

「お腰の物拝借出来ますまいか。……脇差しにて結構にござります」

「脇差しを貸せ? 何んになされるな?」

「腹切る所存にござります」

「…………」

「とてものことにお情けをもって、介錯くださらば何より幸甚。……」

「…………」

「拙者も浪人にござりまする。……人を率いた経験もあるもの。……が、今は自信を失い、生きる気消耗いたしました。生存らえて恥をかかんより、いっそ死してと存じまして。……」

「それにいたしてもご浪人の御身で、腰の物ご所持なされぬとは?」

「取り上げられましてござります。……武士としてこれほどの恥辱ござなく、腹切る気持ちにもなりましてござる」

「何事の事件ござりましたのじゃ?」

「技比べいたしましてござります。……その結果拙者屈折され……その者やがて帰り参れば、臣事いたさねばなりませぬ。……帰り来ぬ間に腹切りたく……脇差しお貸しくださりませ」