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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

十

「ははあ」

とここまで聞いて来て、熊太郎はいささか驚いたようにいった。

「得意として足を薙ぐ九州浪人、臼杵九十郎と申す者でござれば、わたくしも噂を聞き知りおります」

「わしは知っておるばかりでなく、武州小川の逸見の道場で、その男と試合をしたことがある。しかも負けた」と冬次郎はいった。

「足を薙がれて見事に負けた」

「あなた様さえお負けなされた? では私なども……」と熊太郎は、渋面を作り不愉快そうにいった。

「いやそちは当代無双、まさかに負けはしまいと思うが……しかし、しかしだな、……どうであろう?」

十

「それに致しましても織江殿を、松本伊豆守様が進物駕籠などに入れて……」

と、熊太郎は話を横へ反らした。

「そいつだ」

と、冬太郎は憤ったような眼付きで、どこともなく睨んだが、織江に代わって熊太郎へいった。

「彼奴悪虐の臼杵九十郎、田沼めのご機嫌を取り結ぼうと、織江殿の美貌を吹聴し、手に入れるよう勧めたので、田沼め好色の本性を現わし、そういうことには慣れている同類、松本伊豆めに語ったところ、彼奴は田沼のひきによって、勘定奉行にまで経上った奴、弱味もあれば腐れ縁もあり、それに以前から『ままごと』