Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

二十一

「それで死ぬ※(感嘆符疑問符、1-8-78) それで腹切る※(感嘆符疑問符、1-8-78) 清々しいのう、うらやましいくらいじゃ」

足音の主はそういったが、その声には憐愍と嘲けりとが、むしろ多分に含まれていた。

「拙者などついに自信だの誇りだの、熱だの希望だのと申すもの、うちすてましてござりますよ。食えたらいい? そう思うているだけで」

二十一

「腰の物をお貸しくださりませ」

「その一本気、そのご気象では、おとどめいたしても所詮は駄目、お望みに従うでござりましょう。よろしくば介錯もいたすでござろう」

「忝けのうござる、それでこそ本望……つきましてはもう一つ、お願いいたしたきは拙者に代わり、不運の百姓の一揆の指揮を……」

「食えますかな、指揮いたしたら?」

「…………」

「食えるようなら何んでもやる!」

「…………」

「食えるところならどこへでも行く!」

「…………」

「食うことだけで一杯じゃ? アッハハハ、一杯じゃ」

「食うことだけなら、生きて行くだけなら、何をやろうと、どこへ行こうと、この日本、出来ましょうよ」

「それが出来ぬ! なかなか出来ぬ!」

「希望を持たず、生きるだけなら!」