Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
はじめて織江はそう云って、たかぶる動悸を抑えるかのように、そっと胸へ手をやった。
「範之丞殿潜入された理由、そなたにはご承知でござりましょうな?」
「はい……敵……九十郎を……」
「そなたも一緒に討ちたいでござろう?」
「…………」織江は俯向いて膝を見詰めた。
「拙者、そなたをお連れして以来、失礼の待遇いたしましたかな?」
「いえいえ決して、滅相もない……分に過ぎるほどご丁寧に……」
「その儀三人に逢われましたら、そなたの口からお話しくだされ」
「…………」
「その装束では万事に不都合、田舎娘の衣裳万端、小太刀も添えて隣り部屋にござる、身軽に出で立ちお出でなされ」
「まあ」と織江は声をはずませた。「それでは妾をおゆるしくだされて?」
「今日まで保護しておりましたのじゃ。……かかる機会あるようにと。……田沼様へはこの貝十郎、指一本誰にもさわらせぬ。……が、九十郎、九十郎如きは、剣鬼、無双の手利きながら、惜しくない奴、小人に過ぎぬ。……天狗の仮装いたしおる彼を、兄上ともども討ち取って、首尾よく本望をおとげなされ。……そこでわしも衣裳代えじゃ。アッハッハッ、忙がしい」
七
意次は庭を歩いていた。