Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
そこで相談でもしているらしく、高い声になったり低い声になったり、笑ったりシーンと静かになったりする、そういう声々が聞こえて来た。
(不作法のここの門弟どもであろう)
兄妹ながらそう思った。
と、こっちへ歩いて来る、一人の足音が聞こえて来たが、すぐに間の襖が開いて、又助の笑顔が現われた。
「お待たせしましたな、恐縮恐縮、が首尾は上々吉で」
坐るとべらべら喋舌り出した。
「九十郎めおりましたよ、さよう家に、自分の家に。……で、拙者言を設け、湖畔へ今夜引き出すようしました。町内で切り合いいたしましては、先刻も申した彼奴の味方、無頼漢や藩の悪侍どもが、聞きつけて助太刀いたしますからな。……どうでも湖畔人気ないところへ、おびき出さねばなりませぬて。……それにはもう一つ……」
といって来て、又助は得意そうに肩をゆすった。
「これで拙者にも門弟があります。その門弟へ拙者命じ、貴殿方お二人の後見するよう、いたさせましてござりますよ。ただ今道場でそうしましたので。その上拙者が後見いたす。鬼に金棒大丈夫でござる。……おお、そろそろ時刻でござる。九十郎めが夜釣りしようと、湖畔へ出て行ってまだかまだかと、拙者の参るのを待っているでござろう。