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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで二人は知り合ったのである。

勤王の先駆者、一世の奇人、熱血そのもののような高山彦九郎、この人物の友人であり、同志であり、むしろ先輩であるのが、この高阪郡兵衛であり、そうして高山彦九郎をして、その東北の大饑饉の様を、実地に見聞させるべく、慫慂し実行させたのも、この高阪郡兵衛なのであった。

「殿」

と郡兵衛はいいつづけた。

先刻からいいつづけているのであった。

牧野遠江守の藩士により、一揆の煽動者指揮者として、狙われている彼だったので、その眼を眩ましてここへ来ること、容易の業ではなかったのに、そこをどうして潜りぬけたものか、白昼くぐりぬけてやって来たのが、二刻ほどの前であり、爾来説きつづけているのであったが、どうしたものか冬次郎はそれを諾おうとはしないのであった。

「殿」

と郡兵衛はいいつづけた。

「ともかくも現場へお越しくだされ、百姓どもの憐れの様子、一揆嗷訴をいたさいでは、とうていいられぬ窮境を、実地にご覧くださりませ、郡兵衛お願いいたしまする」

「…………」

冬次郎は黙っていた。

側に引き添い端座している、戸ヶ崎熊太郎も当惑したように、これも黙って俯向いていた。