Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
――しかし一方彼に対して、反抗していられる三卿ご親藩が、いよいよ彼を逼塞させるべく、積極的にやり出されたそうで、田沼が盛り返すか失脚するかは、ここ数日、長くて一、二ヵ月、そこまでせり詰まっているそうじゃ」
「大事な瀬戸際にござりまするな」
「だからわしにしても一期の活動機、こう思ってやり出したのじゃ」
「今回のうちこわしのご計画を」
「うむ。――外界から民衆によっての、破壊手段がとられないことには、姦物執政の死命を制することなかなかもって達せられぬからの」
「十二神貝十郎今日この頃、何をいたしておりますことやら」
「彼奴も今度は手が出まい。――それにいたしてもままごと狂女、お浦をどうぞして手に入れたいものじゃ。お浦をこっちの手に入れさえしたら、田沼を滅ぼす一切の条件、ことごとく揃うというものだ」
「もし田沼の手に入りましたら?」
「田沼の野望とげられようもしれぬ」
暴徒は次第に数を増して来た。
五
「将軍様は今は言葉も出せず、文字書くことなどなおさらに出来ぬ、人事不省の有様だそうじゃ」
冬次郎はひそひそと熊太郎へいった。
「で、このままご他界になれば、後継者として一ツ橋家より、西丸へはいられた家斉卿が順当に十一代の将軍家となられる。