Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
二人はすでにこれ以前から、詩文の友として昔どおり、親しく往来していたのであった。
「螺乃舎」と冬次郎はいった。「この頃お浦はどうしている?」
「あてがいました人形を相手に、ままごとをいたしておりまする。……これをお前から越中へ――定信の手へ渡してくれ。妾から渡すのでござりますのね。……などと申してままごとを」
「将軍様ご他界を知らぬのか」
「いいきかせましたが狂女のこと、信じませんでござります。いつかはお逢い出来るものと、堅く信じております様子……」
「心根まことに憐れなものじゃの」
「見ておりまして思わず私、涙をこぼしますでござります」
「髪の中より遺言状、取り去ったことも知らぬそうな」
「代わりの紙片入れ置きましたゆえ」
「何んと思うてそのようなことを?」
「人には何か玩具なくては、くらして行くことなりませぬゆえ」
「なるほど」と冬次郎は頷いた。「浪人好み、世の建て直し……天下を愁うる志士的行動! などと思うてわしのやって来た、これまでの仕事などもいって見れば、玩具いじりに過ぎなかっただろうよ」
「堂々たる玩具いじりと存ぜられます」
「そうであろうよ。そんな気がする」