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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme

Aozora Bunko

「アッハハハ、面白い面白い、お前ほんもののちょぼくれ語りになんな」

「俺らも習って語ろうかい」

勘助と新助との囃す声も聞こえた。

冬次郎は微笑を浮かべたが、

「あれが田沼への挽歌だな。薤露の歌というやつだな」

「薤露の歌にござります。……いかな英俊も失脚しましては、末路蕭条にござります」

「どうやらそちの田沼贔屓、いまに至っても衰えぬそうな」

こうはいったものの冬次郎の顔には、不快の色など見えなかった。「いや田沼も凡才ではなかった、度胸があり眼先が見え、世情に通じた調法役者、そういう点では傑物であったよ。……眼中に旧慣古例なく、格式門閥を問題にせず、時代に合った調法人と、便利の法規とを自由に使って、相当進んだ仕事をした。――という点は認めていいのう」

「それだけ殿に認められましたなら、田沼様も本望でござりましょう」

「その後に直られた越中守様、この方をそちどう思うな」

「さあ」と貝十郎は首を傾げた。

「君子仁人にはござりますが、それだけに右を見左を見、断行力に乏しいかと……」

「なるほど、それだから市井では『女の老中』などと申しておる」

「がむしゃらな男の老中の後へ、しとやかな女の老中の乗り出し、かえって結構かと存ぜられます」