Japanische Klassiker mit Furigana
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ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lesen Sie 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.184 Zeichen · 379 Bildschirme
は、与力から同心から目明しまで、市中に充ち充ちていることであり、感づかれて取って押さえられるだろう。
(そうなっては藪蛇だ)
ではいっそ夜までこのままにして置き、夜になってからしょびいて行くか?
それなら安全で結構ではあるが、気絶させた女の旦那という奴、お浦を強請の種にしようと、気絶させた女と一緒になって、お浦を養って来たというから、そいつが妾の帰って来ないのを案じ、今にもここへやって来るかもしれず、やって来て俺を目付けたり、女の気絶を知ったりしたら、何も彼も破滅となる。
夜まで待ってはいられない!
(どうしたらよかろう? どうしたらよかろう?)
勘助は途方にくれてしまった。
(どうなるものか、やって見ろ、お浦をすかして連れ出してみよう)
これが順当だと決心し、ツカツカ隣り部屋へ行こうとした時、
「お吉! お吉!」
と男の声で、裏庭の方で呼ぶものがあった。
(しまった、来た、女の旦那!)
勘助はグルグル部屋を廻った。
「これ、いつまでも何をしているのだ」
男の声は近寄って来た。
「化物にお斎を供えるのに、そうも時間はかかるまいよ。……いやこっちは二階の鼠が、ひどくあばれててこずったぞ」