Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

「ああ!」河童は、鴉みたいな返辞を投げて、一目散に、もとの道へ、駈けて行った。

砂金売りの吉次は、築地の外に立った。どこを眺めても、盲目のように門が閉まっている。雑草が、ほとんど、門の腰を埋めているのである。野良犬ならば、すぐ跳び越えられるように、崩れている所もある。蔓の絡んでいる椋の樹の上で、キチキチと、栗鼠が啼いた。

「変遷るなあ……世の中は」しみじみと、彼は、思う。

藤原氏の一門といえば、人間のなしうる豪華な生活図を地上に描き尽したものである。それが、武家同士の興亡となり、武家政治となり、今の平家の全盛になってからは「落魄れ藤家」と嘲けられて、面影もない存在になってしまった。狐狸でも住みそうな、この古館のしいんとしていることはどうだ。灯の気も見えぬし、犬すらもここにはいないとみえる。

とん、とん、とん……試みに、裏門とおぼしい所を、吉次は、そっと叩いてみた。そして、低声で、

「こん晩は――」何度か、訪れてみた。

「駄目だ」考えていたが、やがて、小石をひろって、侍部屋らしい屋根を目あてに、投げつけた。

蔀を上げる音がした。――間もなく、壺のうちで、灯りが揺らぐ、そして、木履の音が、カタ、カタ、と近づいてきた。