Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

七

「やっ、和子様ではないか。――そうだ、和子様にちがいない。おのれ、成田の郎党めが」

夜叉のように、介は、堤を目がけて飛んで行ったが、枯れ芦の沼がいちめんに、そこを隔てているので、遠く迂回らなければ、堤にはのぼれなかった。

気が急くし、足は自由にならない。沼水はかなり深かった。介は膝まで濡れた足をもどして、半町ほど後ろから、堤へ這い上がった。

もう、さっき見た人影は、遠く去って、わからなかった。介は、地だんだを踏んで、

「畜生」と、さけんだ。

そして、堤の上を、鬼のように髪を後ろへなびかせて走った。烏帽子は背へ落ちて、躍っていた。

七

「また、空が赤い」

「どこぞのお館へ、盗賊が押しこんだのではないか」往来へ出て、町の者は、首を空に上げて見ていた。

戦いに次ぐ恐怖は、強盗だった。

こそこそと出没するのではない。十人、二十人、多い時には五十人も手下をつれて、どこへでも堂々と押しこむのであった。少し、きかない家来などがいると、忠義だてして闘うので、邸宅はたちまち火を放けられて焼かれてしまう。

「貧乏人には、盗賊の心配だけはない」町の人々は、赤い空をながめて、せめての慰さめのように、つぶやき合った。