Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんらん

親鸞

吉川 英治

Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans

Aozora Bunko

春雷

一

ちかっと、朱い光が、御葉山の肩に映した。

夜が明けたのである。

――雲にも、野にも。二人のうえの氷柱の刃は、いつの間にか麗朗な珊瑚のすだれのように輝いていた。

春雷

一

――いつまでこの春はこう寒いのだろうか。

門外の御弟子、聖信房湛空は、たまたまその夜、吉水禅房の一間に泊ったのであるが、夜もすがら花頂山のいただきから吹きおろす風や、三十六峰の樹々の音や、戸を洩る針のような寒さに、

「よく皆は寝ていられる」と、夜の具に襟を埋めながら思った。

ミリッと時折に、柱や梁が、乾燥した空気と寒に裂ける音を走らせる。

「上人もお年を老られた――この禅房の建物も」湛空は、ふと、人間の寿命と、建物の盛衰などを思うて、うら寂しい「無」の観念にとらわれてしまった。――こうして有りと見える柱も天井も、寒いと感じている肉体も、その「無」でしかない空でしかない。

「いつかは、形を失う日が来る……。それを早めようとしているのが、叡山の人々だ、南都の大衆だ、高雄の一山だ」

――今。この新しい芽ばえの宗教、浄土宗の屋を吹きめぐる木枯しは、三十六峰の風ばかりではない。おそろしい法敵がほかにはある。