Classiques japonais avec furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Lisez 親鸞 (しんらん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 566 138 caractères · 1127 écrans
三
輿は、その言葉の終るのを待って、舁き上げられた。
法勝寺の門を出てみると、そこには、多年、上人から直接に間接に、教えを受けた受学の僧俗や、檀徒や、ただ徳を慕うて群れ集まってきた洛中の男女が、
「オオ……」思わず、口のうちに唱える念仏が、涙となり、声となって、輿も通れぬほど、立ちふさがる。
「お退き下さい」
「念仏は、おつつしみ下さい」弟子のうちでも、大力の聞こえある角張成阿随蓮が先に立ち、そのほか十二、三名の随身が、群集の涙の中を、頻りに宥めて道を開かせていた。法勝寺から半町もすすむと、
「その輿、われに舁かせ給え」と、弟子たちは、領送使の輿舁たちから、それを奪うようにして、自分たち、随身の者ばかりの手で、師の輿を捧げて行った。
――七条を西へ。大宮を下って、鳥羽街道を真っすぐに進んでゆくのであった、その途中の辻々や、畷や、民家の軒や、いたる所に、上人の輿を見送る民衆が雲集して、
「おいたわしや」
「勿体ない」
「なむあみだ仏――」貴賤のべつなく押し合って、中には輿の前へ走り寄り、
「あなたのお体は、遠国へながされても、あなたの生命は――念仏は――この日ノ本の大地から失われません」